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株式市場

株価を動かす要因

株価を動かす要因は、下記に列記したものが挙げられます。
個人投資家が、これらの要因に関する投資ノウハウを全てマスターすることは不可能といっても過言ではなく、これらの情報を元に売買判断を行ってもなかなか思うようにいかないものです。

一般(マクロ的な視点)の材料として
 
景気動向(GDP、日銀短観等)
通貨の多寡(インフレーション、デフレーション等)
債権の価格
外国為替の変動(ドル、ユーロ等)
外債(米国債等)の価額
政府事業、租税(税制)
貿易の消長
天産物の豊凶(商品価格、原油価格等)
金利の変動(高低)
金融界の繁閑(金融システム)
公債(国債等)の募集等
海外の金融
財政、内治外交、国際情勢(戦争、テロ等)
産業の盛衰(マーケットシェアの変化)
輸出入の差額(貿易統計)
天災地変等
 
新聞

会社(ミクロ的な視点)の材料として
 
会社基盤の変化(銘柄異動、社名変更)
財産の多寡(B/S能力)
事業の繁閑(P/L)
製品の騰落販路
株式の払込及び増資
会社に対する政府命令(法規制、仮処分、訴訟等の裁判)等
経営者(企業トップ)の信用
キャシュフロー、配当
営業の盛衰
競争者の有無
創立の新旧
 

株主としての重要な事項
 
決算(業績修正)本決算、中間決算
配当政策(性向)
会計基準・監査法人の変更
会社の解散、継続、合併、分割
営業権の譲渡、企業再生
株式分割、株式併合(減資)
株式交換、株式移転等
証券の募集や売出(公募・売出・増資、第三者割当増資、新株予約権、CB等)
タイムリーディスクロージャー
経営者(取締役の選任・解任)
新製品の開発
買収(LBO)、公開買付(TOB)
株主権利の変更(定款の変更、単元株の変更等)
自社株買い(自社株式消却)
 

市場要因として
 
株価
時価総額(浮動株比率)
信用残
セクター(インデックス)、投資テーマ
外国市場(ニューヨーク市場、NASDAQ等)
新高値、新安値
指定換え
出来高
売買代金
裁定取引残
株価指数組み換え
テクニカル分析
投資尺度(PER、ROE等)
新規上場(IPO)等
 

株価決定のメカニズム

株価はどのようにして決まるのでしょうか。市場では株価が今の価格水準より値上がりすると思う投資家、あるいは値下がりすると思う投資家が、それぞれの思惑から売買注文をだします。

その結果、買いたい価格と株数、売いたい価格と株数が一致したところで取引が成立し、株価が決定されます。

では、株価はどうして動くのでしょうか。世の中は刻々と変化します。次々と表面化(ニュース等)する「株価を動かす要因」やプロの投資家が秘密裏に分析した「株価を動かす要因」を元に、投資家は新たな売買行動を開始します。

その結果、どうしても買いたい人の株数よりどうしても売りたい人の株数が多ければ株価は下落方向に、どうしても売りたい人の株数よりどうしても買いたい人の株数が多くなれば上昇方向に動くことになるのです。

もちろんその中には、人気化した銘柄であるが故の株価の急騰や、個別銘柄とは直接関係あるとは思えないネガティブなニュースによって、株価が大きく下落するなど、その時の投資家の心理が株価を大きく変動させることも含まれます。

このように需要と供給のバランスによって株価が決定され、それは刻一刻と変化するといえましょう。

 ポイント

株価は売り手と買い手の資金量の差で動く。

ファンダメンタルズ分析

ファンダメンタルズとは、経済の基礎的条件のことをいいます。ファンダメンタルズ分析とは、マクロ的な視点での経済の動向やミクロ的な視点での企業の経営分析などの「株価を動かす要因」、すなわちファンダメンタルズ・データから株式の内在価値(バリュー)を分析することをいいます。

その結果、本来評価される株価水準あるいは将来に評価されるであろう株価水準を求め、それと現在の株価とを比較して割安であるか割高であるかを投資判断の基準とする投資手法のことを、ファンダメタンルズ分析による投資(法)といいます。

しかし、長期的収益予想を立てることはたいへん難しく、ファンダメンタル・バリューを正確に判断するには、常に困難がつきまとうことは言うまでもありません。

その結果、誰の目からみても好材料としかみえないようなニュースが表面化した後に株価が下落方向に進み出たり、絶対に買いたくないような悪材料が表面化しても、その後は上昇したりすることも少なくありません。

ファンダメタンルズ分析による投資法で、利益を上げ続けることが、いかに難しいか、実際の例をみて検証してみましょう。


好材料で下落した例
 
検証①大京(8840)東証1部
 
ライオンズマンションで有名な不動産業の大京が、2005年11月7日に発表した2005年の中間決算の内容は、連結ベースの最終損益が前年同期2570億円の赤字から177億円の黒字に転化したということであった。

このニュースをごく普通にとらえれば、赤字から黒字に転化したという事実から明らかに好材料と判断できる。しかし、この好材料と判断できる事実のみで「今後株価は上がるだろう」と買い投資をしてはならない。

図Aは大京の日足チャートだ。大京の株価は、2005年11月7日に高値831円をつけた。同日に発表された上記のニュースを好材料と判断して、翌8日に寄付きで買うと817円で購入することとなる。

しかし、チャート上でここまでの大京の株価の流れをみていただきたい。

大京の株価は、2005年5月17日に202円の安値をつけた後、そこからわずか半年後の11月7日には、高値831円をつけるに至ったのである。その直前、10月には陽線を続出させて急騰しており、安値から株価は4倍強になっていたのだ。

このような状況下で、ニュースをみたこの株を保有している投資家が、(好)材料出尽くしと判断すれば、株を売却して利益を確定するでろう。

その後、大京の株価は、11月8日の寄付き817円を上回ることなく下落に転じたのである。

 
大京(東①8840日足チャート)

検証②トヨタ自動車(7203)東証1部
 
トヨタ自動車 こちら「株式売買上昇の秘訣」のページをご参照ください。

悪材料で上昇した例
 
検証①クボタ(6326)東証1部
 

機械メーカーのクボタは、2005年6月29日の夕方にアスベスト(石綿)が原因とみられる中皮種などで従業員ら79人が死亡したと発表した。

これは誰が判断しても悪材料としか取りようがないニュースであるといえよう。これを聞いた一部の株主は、その後の株価下落を憂慮し、翌日30日に成行きで売却注文を出したのである。(図B日足チャート参照)

30日は朝方から気配値を切り下げ、寄り付いたのは前日比50円安の576円だ。
しかし、寄付き後の株価は上昇し、結局608円とローソク足は陽線を形成したのである。
その後、クボタの株価は大勢の上昇とともに上げつづけ、2006年4月19日には高値1379円と、6月30日の寄付(安値)576円の約2.4倍にもなったのである。

理由を考えてみよう。株価を動かす要因は、このニュースだけだろうか。このニュースは確かに株価を下落方向に向かわせる悪材料に違いない。しかし、株価を上昇方向に向かわせる要因もあるのだ。クボタの業績が拡大しているとか、クボタの属している機械セクター(業種)が絶好調であるとか、さらには日本株全体が上昇局面にあるということなどだ。

仮にこれらのプラス要因と先程のマイナス要因とを比較して、それでもなお、「買い」と判断する投資資金(投資家)が勝ればどうなるだろうか。

もちろん株価は上昇するのである。どのようなニュースが表面化しようと、実際に「買われている」あるいは「売られている」という事実を尊重することが、いかに大事であることがわかるであろう。

 
クボタ(東①6326日足チャート)

 

検証②富士通(6702)東証1部
 

東京証券取引所は、2005年11月7日に全株式の取引が停止したシステム障害の原因は、コンピュータメーカーである富士通が担当した作業手順書に記載漏れがあったことが主因であると発表した。

先程のケースと同様に、このニュースは明らかに悪材料と判断できる内容だ。

しかし、この悪材料と判断できる事実のみで「今後株価は下がるだろう」と思い込み、空売りを仕掛けてはならない。

図Cに示す富士通の日足チャートを見ていただきたい。
富士通の株価は、2005年7月8日に安値568円をつけてから順調に上昇し、10月4日に高値817円をつけ、その後は高値付近で停滞していた。その中でのニュースだ。

仮にこのニュースを悪材料と判断し、翌日の寄付き789円で空売りを仕掛ければどうなるだろうか。その後の株価は上昇し、10月4日の高値817円を超えて高値835円をつけたのである。

富士通には、その後に悪材料と判断できるニュースがさらに出た。
東京証券取引所は、2005年12月11日夜、みずほ証券が誤発注した際に注文を取り消すことができなった(ジェイコムショック)のは、 東証のシステムに欠陥があったことが原因であると伝えたのである。このシステムも富士通が開発していたのである。

これにより「富士通の責任は免れない」との報道がされたのだ。

ここで空売りを仕掛けても結果は同じだ。
翌12日の始値855円に対して、その翌日こそ安値827円まで下げるものの、そこから反転すると株価は大きく上昇し、2006年1月17日に高値1073円をつけるに至ったのである。

 
富士通(東①6702日足チャート)

ポイント

材料が出た時点で、マーケット参加している投資家(その株を保有している投資家と今後、購入あるいは信用売り等の出動を検討している投資家)が、どのように判断したかを、実際に売買された結果から見極める。

材料を聞いただけで自分で判断しないこと。チャートをみて他の投資家がどういう投資行動をとるのかを見極め、その行動に逆らわない癖をつけること。

その時の個別銘柄と大勢(市場全体の大きな流れであるTOPIXや日経平均)の株価の位置や株価の方向を必ずチャート上でチェックする。


   

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